誕生秘話

株式会社関電工 専務執行役員 戦略技術開発本部 戦略事業ユニット長 野本 健司
株式会社関電工 専務執行役員 戦略技術開発本部 戦略事業ユニット長 野本 健司

何故、LPガスなのか。

東日本大震災時の教訓から、災害に強い発電機のあるべき姿を求め、ゼロベースで開発したのがこのLPガス発電機です。

これまでの発電機はディーゼル方式が主流で、燃料は軽油やA重油が使用されていました。

しかし、東日本大震災では、これらの燃料調達に困難を極めていました。

「災害に強い燃料は何か」

そこでたどり着いたのがLPガスです。LPガスが災害に最も強い燃料を言われる理由があります。

  • 長期保存しても燃料の劣化がほとんどない
  • 全国どこでも容易に手に入る
  • 燃料の持ち運びが容易
  • 全国に2,200か所の充填所があり、このうち、340の中核充填所には非常用発電設備、緊急用通信設備等が配備され、災害時の復旧が早い
  • 国家備蓄と民間備蓄の合計で約100日分の備蓄がある

レーシングエンジンのDNAが宿る

LPガスを燃料とする専用のエンジン開発が、林先生の設計で進められました。
ここで課題となったのは、自動車用と発電用では負荷変動が大きく異なっている点です。
例えば、自動車はアクセルを踏めばスムーズに回転数は上がっていきます。ところが電気の負荷は「ズドン、ズドン」と断続的に負荷が入るなど、大きく変化します。
つまりレーシングエンジンの開発技術力を電気の負荷にどう対応させるか。林先生は、フライホイール(エンジンの回転を維持するための円盤状の部品)を入れ、その回転力によって負荷の変動を吸収する機構を考案しました。

コンパクトサイズ

林先生に、コンパクトサイズの追求をお願いしました。発電機の奥行は45㎝。無電柱化の歩道に設置されている電気設備の奥行と同じ寸法です。
そして生まれたのがエンジンと補器類のユニット化です。

高温環境下での72時間連続稼働

発電機は、高品質な電力を供給するためインバーターを搭載しています。
インバーターは周囲温度が70℃を超えると自動停止する仕組みとなっています。
コンパクトサイズを求めたため、筐体内の熱処理が上手くいかなかったのです。それでも、熱流体力学を駆使しながら改善を重ね、フィールド試験、室内試験を繰り返し、やっとこの問題を解決することができました。

電気安全認証を取得

こうして、着想から10年の歳月をかけ「レーシングエンジンのDNAが宿る」3kVAのLPガス発電機は無事、誕生しました。
発電機は、テュフ・ラインランド(ドイツに本社を置く世界最大級の第三者試験認証機関)から電気安全認証を取得しております。

  • TUVSマーク
  • TUVSマーク
  • ドイツに本社を置く世界最大級の第三者試験認証機関)から電気安全認証を取得

プロフィール

氏名
株式会社関電工 専務執行役員 戦略技術開発本部 戦略事業ユニット長
野本 健司
略歴
1984年東京電力入社。超高圧ネットワークの調査・設計・建設に従事。その後、営業部門に転じ、初めて瞬低補償機能付きNAS電池を大手半導体研究センターへ納入。病院を始めとする各種PFI案件も手掛ける。2011年、関電工にて災害復興対策室長。翌年、戦略事業室長。現在は、再エネ事業(風力、太陽光、木質バイオマス、小水力)を事業運営すると共に、災害に強いLPガス発電機の開発・販売、系統線を活用した地域マイクログリッドの構築に従事。
至近での主な講演
  • 大規模災害に備える防災用発電機と地域マイクログリッド(令和3年2月/関東地方非常通信協議会)
  • LPガスエンジン発電機を活用した地域マイクログリッドへの取り組み(令和3年2月/関電工 技術開発・改善事例報告会)
  • 同上(令和3年2月/配電ライセンスのインパクト)
  • 地域マイクログリッドと配電ライセンス(令和3年2月/分散型エネルギープラットフォーム)

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